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Live Life Simple-ある暇人のつぶやき

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カテゴリー「科学/歴史」の記事一覧

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アルコール依存症に葛エキス

今日は雨が降りそうな天気です。それにしても、日本は地震が多いですね。今日は私も頑張って歯医者に行って来ます。旦那は明日、目医者もあるので二連ちゃんです。

ツル植物のクズ(葛)は非常に侵略性が高く、アメリカ南部では異常繁茂することで悪名高いが、最新の研究によると、アルコール依存症患者の頼みの綱となるかもしれないという。
アジア原産のクズは、伝統中国医学ではアルコール依存症の処方薬として昔から利用されてきた。1800年代にアメリカにも持ち込まれたが、あっという間に繁殖し南部の固有種を追いやるようになった。

そして現在、10年以上にわたる研究の末、クズのエキスがアルコールに対する欲求を抑制し、アルコール消費量を削減できることがわかったという。この植物を医薬品に精製する方法として、2つの研究チームがそれぞれ独自の道を切り拓こうとしている。

第1のチームは、クズから取れる化学成分ダイジン(daidzin)をベースとして合成薬を作り出そうと試みている。ダイジンはクズが持つ効力の源と考えられている。
研究チームのリーダー、アイバン・ダイヤモンド氏は次のように話す。「クズエキスは現在でも健康食品店で手に入るが、良い薬とは言えない。吸収率が悪 く、成分濃度にもばらつきがある。医薬品と呼ぶためには、厳しい管理の下で製造しその成分も一定でなければならない。私たちはクズの潜在能力を最大限に生 かした医薬品を提供できる」。ダイヤモンド氏は、クズ成分の合成薬開発を続けるアメリカのバイオ医薬品会社ギリアドサイエンシズ社(Gilead Sciences)の副社長である。

ダイヤモンド氏の研究チームは専門家の協力を得て、ダイジンから精製された合成化合物「CVT-10216」を“アルコール依存症”のラットに適用する以下のような実験を行った。 まずラットを甘いカクテルから慣らし始めてしだいに強いアルコールを摂取させ、さまざまな試験を行いアルコールに対する依存度を測定する。 アルコールの摂取場所は専用の特別ケージ(檻)だけに限定する。まるでバーに通うようなものだ。ラットが次第に水よりもアルコールを選ぶなどアルコールに強い関心を示すようになったら、数週間強制的に“アルコール断ち”させる。

その後、ラットを特別ケージに戻す。ただしそこにはアルコールはない。するとアルコール依存症のラットは、ケージに入るたびに狂ったように酒を探し求めるようになる。そこがバーだったことを覚えているためだ。 そこでCVT-10216を投与すると、アルコール依存症のラットはバーに行っても前ほど興奮しないことが判明した。「つまり、CVT-10216はア ルコール消費量を抑えるだけでなく、アルコールに対する欲求そのものを抑える効力があるのだ。これは症状の“再発”を防ぐ上で大きな意味を持つ」とダイヤ モンド氏は話す。
この最新研究は「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」誌の2009年9月号に掲載される。
ただ、CVT-10216が人間のアルコール依存症に適用できるようになるには、まだしばらく時間がかかる。そこでもっと迅速に市場投入できるクズ由来の処方薬に取り組んでいるのが、第2の研究チームである。 ハーバード・メディカルスクールで薬理学の教授を務めるスコット・ルーカス氏の所属するこの研究チームは、「アルコントロール・ハーバル(Alkontrol-Herbal)」と名付けたクズエキスの開発を進めている。

ルーカス氏は次のように話す。「アルコール依存症患者を前にして何十年も待てとは言えない。アルコントロール・ハーバルは、CVT-10216よりも早く患者の手に届けることができる。合成薬ではなく生薬やサプリメントの形であれば、時間のかかる食品医薬品局(FDA)の承認審査を受ける必要がないからだ」。 ただし、承認審査を回避できるため、生薬など伝統中国医学の薬には信用できない面もある。ルーカス氏のチームは、市販されているクズ由 来の調合剤をすべて集め、成分の解析を行った。その結果、いずれの薬もラベル通りの有効成分量は含有しておらず、まったく入っていないものも多かったとい う。

「その点アルコントロール・ハーバルの場合は、厳格な品質管理とそれをバックアップする科学研究体制が整っており、有力な選択肢となるだろう」とルーカス氏は話す。 ルーカス氏たちの研究は、「Alcoholism: Clinical and Experimental Research」誌に2005年に発表されている。その研究によると、大量に飲酒していた人がアルコントロール・ハーバルのエキスを摂取すると、1カ月 後にはほどほどの量のビールで満足するようになったという。「アルコントロール・ハーバルは9カ月以内に店頭に並ぶことになっている」とルーカス氏は話 す。
しかし、ノースカロライナ大学チャペルヒル校でアルコール依存の研究を行っているデイビッド・オーバーストリート氏は、2つの研究を受けて次のように話してい る。「アルコール依存症の治療に“特効薬”は存在しない。だから幅広い処置法をそろえることが重要だ。両方の研究を調査したが、どちらにも問題点があ る」。

まずアルコントロール・ハーバルは、CVT-10216と異なり、アルコールに対する欲求そのものを抑える効果が実証されていない。この点は治療におけるきわめて重要な要素だ。 またCVT-10216は、まだラットへの試験段階であり、人間に対しても同様の効果を持つかは明らかになっていない。 それでも明るい材料はある。追試の結果、CVT-10216もアルコントロール・ハーバルも副作用がほとんどないことが判明したのだ。 「市販までにはまだ各種調査が必要だが、クズから生み出されるこの2つの新しい合成医薬品と生薬が、信頼できる試験を通過しているという事実に間違いはない」とオーバーストリート氏は話した。
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プラスチックを3ヶ月で分解するバクテリア=カナダ高校生が発見

プラスチック袋がまるでバナナの皮のように環境へ戻っていく—そんな夢の科学技術がカナダの高校生により発見された。昨年5月のカナダ「レコード」誌によると、カナダ・オンタリオ州ウォータールー市に住む16歳の高校生、ダニエル・バード君が「プラスチックをわずか3ヶ月で分解するバクテリア」を発見し、世界科学博で最優秀賞を受賞した。

インタビューで彼は「毎週クローゼットを整頓する時、なだれの様に落ちてくるプラスチック袋にあきあきしていたんだ。他の人がこれらをどう処理しているか調べたけれど、特に何も得られなかった」と説明、プラスチックについて自ら研究することにしたという。バード君は、たとえ千年かかってもプラスチックを分解させる「何か」に着目、それはプラスチックを食べる微生物、バクテリアだろうと考え、幾度か実験を 重ねた。土にイースト菌を混ぜ生水を加えたものの中に、粉状のプラスチックを入れ30度に設定。すると自然界に放置した場合より早く、プラスチックが分解 されたという。

「この研究成果を産業社会に生かすのは容易だ」と彼は話す。なぜなら醗酵槽と培地、プラスチックがあれば、バクテリアがプラスチックを食べて熱を発し、 必要なエネルギーの大半を自らに供給するというサイクルを形成できるからだ。副産物も、水と少量の二酸化炭素のみだ。ちなみにこの二酸化炭素量は、石油な どの化石資源を燃やして発生する二酸化炭素量と違い、大気中の絶対量を増やすものではなく、現在主流のポリエチレン製プラスチック袋焼却の際に発生するダ イオキシンなど有害物質も生まれない。年間5000億枚生産されるプラスチック袋は、風に飛ばされてゴミになりやすく、腐らないため海や川に棲む動物に影響を与えている。バード君の技術は今後、環境問題を改善していく上で大いに役立つだろう。

ナイトミュージアム

結構面白かったです。おすすめかも。なんか久しぶりに旦那と一緒に映画見たなあ。いつも見たいものが微妙に違ってたんだけど、これは旦那のボスから面白いよって勧められてみたんだよね。確かに面白かったです。まだ2は見てないけど・・・ちょっと期待がもてるかも。

さて、今日のネタは奉仕の心は自分にも幸せを呼ぶと言うものです。
オーストラリアのキャンベラ大学が行った研究によると、学生たちに奉仕の精神や感謝の心を持つよう推奨すると、彼らの幸福度がアップすることが分かったという。豪紙「キャンベラ・タイムス」の報道によると、想像教育研究(Imagination and Education Reserch)チームのトーマス・ニールセン博士(Thomas Nielsen) は、自分の机を拭くなど、どんな小さな事でもよいから奉仕活動をするようにと自分のクラスの学生に勧めた。さらに、博士は生徒たちに毎晩、その日の嬉し かったことや感謝したことを書き留めるように勧め、それを6週間続けさせるという実験を行った。

実験に参加した35人の生徒のアンケートを分析すると、実験前と実験後に明らかな差が見られ、実験後に彼らはより幸福を感じているという結果が出たという。「僕の学生たちは皆、よりハッピーになった」と喜ぶニールセン博士は、今後より広範囲に実験を続けたいとしている。うつ病の発症や自殺率が増大する現代、社会は危機に直面していると懸念するニールセン博士は、親や教師たちが「奉仕の価値観(value of giving)」を子供たちに教えることが非常に重要であると主張している。オーストラリア政府は2002年から価値観の教育(Values Educaiton)に関する研究をバックアップしており、子供たちの想像教育研究に携わるニールセン博士は、数々の賞を受賞している。

子宮の中の胎児を3Dで

taiji.jpgこの技術は、お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんをそのままの姿で等身大の立体像にする技術で、モニタ上で3D映像として見るだけでなくて実際に3Dプリンターを使って立体像にするという優れものらしいです。技術を開発したのはイギリスのロイヤルカレッジオブアート(RCA、王立芸術学院)で博士号を取得しているブラジルの学生Jorge Lopes博士で、超音波とMRIを使って子宮の中の赤ちゃんのデータを取得して、それを元にプラスチックの粉を使って徐々に立体像を作っていく3Dプリ ンターを使って等身大の赤ちゃんの像を作ることが出来るそうです。

「赤ちゃんの等身大の像を見て、その本当の大きさを母親は知ることが出来ます。」とロペス博士は話しているそうで、イギリスのRCAで現在その技術が展示されており、実際にこの胎児の立体像を造るのはブラジルのリオデジャネイロの病院で行われているそうです。1980年代に現在でも広く使われている超音波診断の使用を始めたCampbell教授は、この技術が母親の為に使われることを望むと話しているそうです。特に目の見えない母親は、自分の赤ちゃんの大きさなどを手で触って確認することが出来るそうです。技術の発達ってすごいね〜!

国際研究チーム、脳内の「記憶」の映像撮影に成功

 脳内の「記憶」を映像として撮影することに成功していたことが18日、カナダにあるモントリオール神経学研究所(Montreal Neurological Institute)の発表により明らかとなった。 モントリオール神経学研究所研究を中心とするグループは、脳内の神経シナプスで 記憶が形成される際に新しいタンパク質が形成され、それによってシナプス同士の結合が強化され記憶が形成されることに注目。その上で蛍光タンパク質(fluorescent protein)を使い、神経シナプス内の新しいタンパク質の形成を映像化する試みに着手し、見事に成功した。

研究グループでは、脳内の長期記憶を映像として撮影することができたのは今回の実験が史上初とした上で、長期記憶の形成過程を映像としてトラッキングして いくことにより、長期記憶が脳内でどのように形成されるか、より詳細に把握することができるようになるだろうと述べている。

これって死んだ人間の頭でも有効なんかな?将来殺人事件とかで最後にみた映像とかが残ってたら物的証拠になりそうだよね。なんかすごい。

脳の不思議

考えても考えても、いいアイデアが浮かばない・・という時はないだろうか。そんな時、考えるのを止めて何か他の単純な作業を始めるといいかもしれない。単調な作業を繰り返しながらボーっとした途端、答えが見つかることもあるからだ。

米メディア「VOA」によると、この現象が脳の中で起きる仕組みが研究されているという。カナダのブリティッシュ・コロンビア大学心理学者カリナ・クリ ストフ氏(Kalina Christoff)は、人間が眠りに落ちる瞬間や、宙を見つめてボーっとしている時などに、ふと分からなかった問題の答えが思い浮かぶという現象に注目した。クリストフ氏は、MRIに入っている被験者に、数字を見たらコンピューターのスクリーンを押す、という単純な作業を繰り返し行わせた。こうすることに よって、被験者は単純な作業をしながら物思いにふけった時と、何かの仕事に集中している時の脳の働きの違いを見ることができるという。

同氏によると、単純な作業を繰り返しながら脳がボーっとしている時、「default network(何も活動していない時に活動する脳の部分)」がとても活発になる。この部分の脳は、テレビを見たり、鍋をかき回したりなどのシンプルなこ とを行う時に活発になる部分で、以前からよく知られている。一方、クリストフ氏によると、被験者がボーっとしている時、他の脳の一部、いわゆる 「executive network (重要なことを判断する時や難しい問題を考える箇所)も、同時に活発になることに気付いたという。

クリストフ氏によると、通常は、この2カ所の部分が同時に働くことはないという。しかし、何か単純な作業に没頭して物思いにふける時、脳は特別な働きをするようだ。同氏は、今回の研究結果について「何かの問題について考える時、集中して考える以外にも、いろいろな脳の部分を働かせて考えることもできる」と話す。クリストフ氏は、ボーっとしている時に働く直感力について、今後もっと研究を進めていくと話している。ひらめきが必要とされる仕事に従事する人は、要チェックだ。

同研究は、「National Academy of Sciences」に掲載されている。

温暖化で海面上昇北アメリカが危ない!

2100年には、ボストンを訪問する交通手段が車ではなくボートになっているかもしれない?
地球温暖化でグリーンランドの氷床がこのまま溶け続けると、ア メリカ北東部やカナダ東部の主要な都市周辺で海面が大幅に上昇するという研究結果が発表された。その海面上昇率はほかのどの地域よりも大きいという。科学者たちは、氷床が崩壊して淡水が海に流れ込むと大西洋の循環パターンが乱れ、結果として海水の体積が増え、海面が上昇すると考えている。今年3月発行 の「Nature Geoscience」誌では、この周辺の海面上昇は約20センチと推定されていたが、新たな予測では、そこからさらに10~30センチ上昇するという。

以前の研究では、氷床が現在のペースで溶け続けた場合、今世紀中にニューヨーク市周辺の海面がアメリカの他地域と比べて2倍上昇することが確認された。 今回の研究では、グリーンランドの氷床融解率が「現在の7%を維持した場合」、「年率1%まで低下した場合」、あるいは「年率3%まで低下した場合」と いう3つのシナリオが検討されている。多くの科学者たちは後者2つが現実的だと考えており、融解率は今後数十年で実質的に低下すると推測している。 コロラド州ボルダーにあるアメリカ大気研究センター(NCAR)に在籍し、今回の研究のリーダーを務めたアイシュエ・ フー(Aixue Hu)氏はこう話す。「できれば最悪のシナリオは避けたいところだ。しかし、グリーンランドの氷床が予想より速いペースで溶ける可能性も否定できない。氷床の今後の融解を予測したコンピューターモデルによると、3つのシナリオの中では融解率が低下する後者2つがより現実的だ」。

地球規模での海面上昇は54センチと予測されているが、グリーンランドの氷床融解率が3%の場合、アメリカ北東部やカナダ東部周辺ではその上昇分に上乗せしてさらに30.5センチ上昇する。1%の場合でも、その上乗せは20.3センチだ。 しかし現在の融解率7%が持続した場合は、海面上昇の上乗せは最大50センチにも上り、ニューヨークやカナダのハリファックス、ノバ・スコシアといった都市部に海水が氾濫することになる。

ただし、コロラド大学ボルダー校の氷河学者ワリード・アブダラティ(Waleed Abdalati)氏は、「7%というのは本当の意味での最悪のケースであり、あまり現実的ではない。それに、“融解率”という言葉の使い方にも少々問題がある」と指摘している。「氷河は砕けて海に落ちてもすぐには溶けない。つまり、グリーンランドのすべての氷が融解で消失しているわけではない。だが、今回の発見が重要であることに変わりはない。わずかな海面上昇であっても、発生時期によってはその影響力は計り知れないからだ。人口の多い沿岸地域ほど甚大な被害が想定される」。

次代の医薬品ヒットは海からだそうだ

新しい医薬品の源泉は、陸上では枯渇してきているのかもしれない。次世代医薬品の大ヒット作を狙う“医薬品ハンター”は次々と海に飛び込み始めている。研 究者たちが新しい抗生物質やがん治療薬を探し求める中、医療目的で海洋生物を採取する生物資源探査(バイオプロスペクティング)が近年活発化している。

ネレウス・ファーマシューティカルズ(Nereus Pharmaceuticals)社の社長コビー・セトナ氏は、「海洋微生物を取り巻く自然環境は、まだ開発が進んでおらず、多様性にあふれている」と話す。同社はアメリカに拠点を置く海洋微生物専門の小規模バイオテクノロジー企業だ。 過去50年間にわたって医薬品開発競争が繰り広げられる中、海に目を向ける者はほとんどいなかった。しかし、これからは海を無視することはできないと専門家たちはみている。

生物の分類では「界」の下に「門」という区分がある。「動物界を36門に分ける説に従えば、陸上には17門、海洋には34門が分布している。つまり、海洋は地球上で飛びぬけて生物多様性に優れた環境であり、医薬品開発において見過ごすことのできない源泉だ」と、カリフォルニア大学サンディエゴ校の海洋学・薬学の専門家ウィリアム・フェニカル氏は話す。 現在、海洋生物に由来するおよそ25種の医薬品が臨床試験中で、バクテリアや海綿動物、あるいはホヤなど海中に住む尾索(びさく)動物がそのターゲットになっている。

生物利用の医薬品開発が大きな節目を迎えたのは1928年のことである。この年の9月、イギリスの細菌学者サー・アレクサンダー・フレミングが、バクテ リアの培養皿に起きたわずかな異変に気が付いた。偶然にも別の実験室からアオカビの一種、ペニシリウム・ノタータム(Penicillium notatum)の胞子が空気中を漂いながら培養皿に付着し、バクテリアの一部を死滅させていたのだ。この発見が世界初の抗生物質「ペニシリン」に結実し、世界中に広まった。それ以後、同じような医薬品の開発を目指して、地球各地の森林地帯や未開地の探検が精力的に行われることになる。今日の主要医薬品の過半は、天然の“貯蔵庫”から生まれたものだといわれている。

「しかし1970年代に入ると地上の微生物は完全に探求され尽くしてしまい、視線を海に向ける“パイオニア”たちが現れ始めた。海の生物は地上では得られない化学的性質を持っているからだ」と、フェニカル氏は話す。 光が皆無に近く温度が非常に低い厳しい環境で、海洋生物は独自の生存戦略を採用してきた。地上の人間には想像が及ばないユニークなその 術は、医療に多大な貢献をする可能性がある。「彼らの何億年もの進化の歴史を利用すれば良いのだ」と、前出したネレウス社のセトナ氏は話す。 奇跡的な次世代医薬品を求めて地上の熱帯雨林を渉猟する企業に対しては、環境保護団体が批判の声を上げるものだ。他方、海洋生物資源探査の場合、環境に対する影響はほとんどないと専門家は判断している。採取する生物がごく微量で済むためだ。

ブリティッシュ・コロンビア大学の化学者で、海洋生物の代謝産物を研究しているレイモンド・アンダーセン氏は、「初期の海洋医薬品開発は抗生物質とがん細胞治療薬に集中していたが、現在ではさまざま。例えば海綿動物や菌類などの海洋生物には、ある種の腫瘍が分泌する体内酵素「インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼ」を抑制する化合物が含まれてい る。「インドールアミン2,3ジオキシゲナーゼは、免疫反応を欺いて腫瘍への攻撃を止めさせてしまう」とアンダーセン氏は話す。

また、海洋生物が持つ化合物の中には、白人に広くみられる嚢胞性線維症(のうほうせいせんいしょう)という遺伝性疾患に対する“中和 剤”となるものもある。嚢胞性線維症は、体内分泌液の粘度が増しさまざまな症状が発症するが、海洋生物由来の化合物を活用すれば、体内タンパク質が細胞膜 に達する経路を滑らかにすることができる。そこでタンパク質は気道の感染症を防ぐ上で欠かせない粘液産出機能を回復していく。 アンダーセン氏の研究所では、2つの化合物が臨床試験のフェーズ2(100~300人規模で有効性や安全性の試験を行う)に入っているという。軟部組織がんと喘息(ぜんそく)の治療がその目的だ。

ネレウス社でも、2つの医薬品が臨床試験中だという。1つはバハマ諸 島の海草で成長する菌類から作り出されたもので、現在フェーズ2の臨床試験を行っている。この医薬品は腫瘍の脈管系を破壊する機能があり、化学療法と組み 合わせることにより、非小細胞肺がん(NSCLC)治療に効果が期待されている。非小細胞肺がん患者の平均生存率はわずか7カ月である。 2つ目は海洋堆積物中のバクテリアから採取されたもので、タンパク質を分解する強力な酵素「プロテアソーム」から、抗がん作用のある タンパク質を保護する。この医薬品は多発性骨髄腫や黒色腫、肺がん、膵(すい)がんの患者を対象としており、現在、臨床試験のフェーズ1(20~80人規 模で適性投与量や安全性の試験を行う)が完了したところだという。

しかし現段階では、海洋生物資源探査はその支援者が望むような大きな成果を上げていない。その理由の1つに、大手製薬会社が本気になっていないという点がある。資金投入量も少なく、まだ遠くから様子を見ている状態だ。 「いま、大手製薬会社の役員会議で海の話を持ち出したら笑われるだけだろう。しかし、海洋医薬品が本格化するのは時間の問題だ」と、ネレ ウス社のセトナ氏は話す。「2~3年のうちに開発に成功し、製薬会社が次々と買い求めるようになる。そしてこう尋ねてくるはずだ。『どこでこれを手に入れ たんだ?』、『量産は可能なのか?』ってね」。

ネタ元:National Geographic

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自己紹介:
92年に渡米。テネシー、テキサス、ノースカロライナに住む。今はコロラドに住んでます。ちとドライだけどいい所です。スポーツ好きと山好きには最高の場所らしい。今年の夏はキャンプと魚釣りがしたい!と意気込んでいる今日この頃。その前にしっかり基礎体力付けろと旦那に言われてますが・・・T_T

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